電験三種:平成17年度 理論の問題をまとめました。
問1:静電気
真空中において,図に示すように一辺の長さが 30 [cm] の正三角形の各頂点に 2 × 10−8 [C] の正の点電荷がある。 この場合,各点電荷に働く力の大きさ F [N] の値として,最も近いのは次のうちどれか。
ただし,真空の誘電率を ε0 = 1 / ( 4π × 9 × 109 ) [F/m] とする。
真空中において,図に示すように一辺の長さが 30 [cm] の正三角形の各頂点に 2 × 10−8 [C] の正の点電荷がある。 この場合,各点電荷に働く力の大きさ F [N] の値として,最も近いのは次のうちどれか。
ただし,真空の誘電率を ε0 = 1 / ( 4π × 9 × 109 ) [F/m] とする。

- (1) 6.92 × 10−5
- (2) 4.00 × 10−5
- (3) 3.46 × 10−5
- (4) 2.08 × 10−5
- (5) 1.20 × 10−5
回答
(1)
問2:静電気
真空中において,図に示すように点Oを通る直線上の,点Oからそれぞれ r[m] 離れた2点A,Bに Q[C] の正の点電荷が置かれている。この直線に垂直で,点Oから x[m] 離れた点Pの電位 V[V] を表す式として,正しいのは次のうちどれか。ただし,真空の誘電率を ε₀ [F/m] とする。


回答
(1)
問3:磁気
無限に長い直線状導体に直流電流を流すと,導体の周りに磁界が生じる。この磁界中に小磁針を置くと,小磁針の(ア)は磁界の向きを指して静止する。そこで,小磁針を磁界の向きに沿って少しずつ動かしていくと,導体を中心とした(イ)の線が得られる。この線に沿って磁界の向きを示す矢印をつけたものを(ウ)という。
また,磁界の強さを調べてみると,電流の大きさに比例し,導体からの(エ)に反比例している。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に記入する語句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
---|---|---|---|---|
(1) | N極 | 放射状 | 電気力線 | 距離の2乗 |
(2) | N極 | 同心円状 | 電気力線 | 距離の2乗 |
(3) | S極 | 放射状 | 磁力線 | 距離 |
(4) | N極 | 同心円状 | 磁力線 | 距離 |
(5) | S極 | 同心円状 | 磁力線 | 距離の2乗 |
回答
(4)
問4:磁気
真空中において,同一平面内に,無限に長い3本の導体 A,B,C が互いに平行に置かれている。 導体 A と導体 B の間隔は 2 [m],導体 B と導体 C の間隔は 1 [m] である。 導体には図に示す向きに,それぞれ 2 [A],3 [A],3 [A] の直流電流が流れているものとする。
このとき,導体 B が,導体 A に流れる電流と導体 C に流れる電流によって受ける 1 [m] 当たりの力の大きさ F [N/m] の値として,正しいのは次のうちどれか。
ただし,真空の透磁率を μ0 = 4π×10-7 [H/m] とする。

- (1) 1.05 × 10-6
- (2) 1.20 × 10-6
- (3) 1.50 × 10-6
- (4) 2.10 × 10-6
- (5) 2.40 × 10-6
回答
(5)
問5:直流回路
図のように,抵抗 Rab=140 [Ω] のすべり抵抗器に 抵抗 R1=10 [Ω],抵抗 R2=5 [Ω] を接続した回路がある。 この回路を流れる電流が I=9 [A] のとき,抵抗 R1 を流れる電流は I1=3 [A] であった。
このときのすべり抵抗器の抵抗比(抵抗 Rac :抵抗 Rbc)の値として, 正しいのは次のうちどれか。

- (1) 1 : 13
- (2) 1 : 3
- (3) 5 : 9
- (4) 9 : 5
- (5) 13 : 1
回答
(3)
問6:単相交流
ある回路に電圧 u = 100 sin(100πt + π/3) [V] を加えたところ, 回路に i = 2 sin(100πt + π/4) [A] の電流が流れた。
この電圧と電流の位相差 θ [rad] を時間 [s] の単位に変換して表した値として, 正しいのは次のうちどれか。
- (1) 1/400
- (2) 1/600
- (3) 1/1,200
- (4) 1/1,440
- (5) 1/2,400
回答
(3)
問7:三相交流
図のように,相電圧 10 [kV] の対称三相交流電源に,抵抗 R [Ω] と 誘導性リアクタンス X [Ω] からなる平衡三相負荷を接続した交流回路がある。 平衡三相負荷の全消費電力が 200 [kW],線電流 I [A] の大きさ (スカラ量)が 20 [A] のとき,R [Ω] と X [Ω] の値として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

R [Ω] | X [Ω] | |
---|---|---|
(1) | 50 | 500√2 |
(2) | 100 | 100√3 |
(3) | 150 | 500√2 |
(4) | 500 | 500√2 |
(5) | 750 | 100√3 |
回答
(4)
問8:単相交流
図のように,静電容量 Cx [F] 及び C [F] のコンデンサと インダクタンス L [H] のコイルを直列に接続した交流回路がある。
この回路において,スイッチ S を開いたときの共振周波数は f1 [Hz], 閉じたときの共振周波数は f2 [Hz] である。 f1 [Hz] が f2 [Hz] の2倍であるとき, 静電容量の比 C / Cx の値として,正しいのは次のうちどれか。

- (1) 1/3
- (2) 1/2
- (3) 1
- (4) 2
- (5) 3
回答
(5)
問9:直流回路
図のように,抵抗 R とインダクタンス L のコイルを直列に接続した回路がある。 この回路において,スイッチ S を時刻 t=0 で閉じた場合に流れる電流及び 各素子の端子間電圧に関する記述として,誤っているのは次のうちどれか。

- (1) この回路の時定数は,L の値に比例している。
- (2) R の値を大きくするとこの回路の時定数は,小さくなる。
- (3) スイッチ S を閉じた瞬間(時刻 t=0)のコイルの端子間電圧 VL の大きさは,E の大きさに等しい。
- (4) 定常状態の電流は,L の値に関係しない。
- (5) 抵抗 R の端子間電圧 VR の大きさは,定常状態では電源電圧 E の大きさに等しくなる。
回答
(3)
問10:その他
半導体素子に関する記述として,誤っているのは次のうちどれか。
- (1) サイリスタは,p形半導体とn形半導体の4層構造を基本とした素子である。
- (2) 可変容量ダイオードは,加えている逆方向電圧を変化させると静電容量が変化する。
- (3) 演算増幅器の出力インピーダンスは,極めて小さい。
- (4) pチャネルMOSFETの電流は,ドレーンからソースに流れる。
- (5) ホトダイオードは,光が照射されると,p側に正電圧,n側に負電圧が生じる素子である。
回答
(4)
問11:その他
図のように,異なる2種類の金属 A,B で一つの閉回路を作り,その二つの接合点を異なる温度に保てば, (ア) 。この現象を(イ)効果という。
上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に記入する語句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(ア) | (イ) | |
---|---|---|
(1) | 電流が流れる | ホール |
(2) | 抵抗が変化する | ホール |
(3) | 金属の長さが変化する | ゼーベック |
(4) | 電位差が生じる | ペルチェ |
(5) | 起電力が生じる | ゼーベック |
回答
(5)
問12:その他
図は,エミッタを接地したトランジスタ電圧増幅器の簡易小信号等価回路である。 この回路において,電圧増幅度が 120 となるとき,負荷抵抗 RL [kΩ] の値として, 最も近いのは次のうちどれか。
ただし,入力電圧を vi,出力電圧を vo とし, トランジスタの電流増幅率 hfe = 140,入力インピーダンス hie = 2.30 [kΩ] とする。
- (1) 0.37
- (2) 1.97
- (3) 2.68
- (4) 5.07
- (5) 7.30
回答
(2)
問13:計測
商用周波数の正弦波交流電圧 v = 100√2 sinωt [V] をダイオードにより半波整流して, 100 [Ω] の抵抗負荷に供給した。このとき,抵抗負荷に流れる電流を,
熱電形電流計で測定すると(ア)[mA],可動コイル形電流計で測定すると(イ)[mA] を示す。
ただし,ダイオードは理想的なものとし,電流計の内部抵抗は無視できるものとする。 上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に記入する数値として,最も近いものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) [mA] | (イ) [mA] | |
---|---|---|
(1) | 450 | 707 |
(2) | 450 | 900 |
(3) | 900 | 450 |
(4) | 707 | 900 |
(5) | 707 | 450 |
回答
(5)
問14:計測
図は,(ア)の可動鉄片形計器の原理図で、この計器は構造が簡単なのが特徴である。 固定コイルに電流を流すと可動鉄片及び固定鉄片が(イ)に磁化され,指針軸ばね(制御ばね)の弾性によるトルクと釣り合うところまで回転し停止する。 この計器は,鉄片のヒステリシスや磁気飽和,渦電流やコイルのインピーダンスの変化などで誤差が生じるので,一般に(ウ)の電圧・電流の測定に用いられる。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に記入する語句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | |
---|---|---|---|
(1) | 反発形 | 同一方向 | 商用周波数 |
(2) | 吸引形 | 逆方向 | 商用周波数 |
(3) | 反発形 | 逆方向 | 直流 |
(4) | 吸引形 | 同一方向 | 高周波及び商用周波数 |
(5) | 反発形 | 逆方向 | 直流 |
回答
(1)
問15:直流回路
図の直流回路において,次の(a)及び(b)に答えよ。
ただし,電源電圧 E [V] の値は一定で変化しないものとする。
(a) 図1のように抵抗 R[Ω] を端子 a, d 間に接続したとき,I1=4.5[A] の電流が流れた。抵抗 R[Ω] の値として,正しいのは次のうちどれか。
- (1) 20
- (2) 40
- (3) 80
- (4) 160
- (5) 180
(b) 図1の抵抗 R[Ω] を図2のように端子 b, c 間に接続し直したとき,I2=0.5[A] の電流が流れ,I1=4.5[A] の電流が流れた。回路全体の電流 I3[A] の値として,最も近いのは次のうちどれか。
- (1) 4.0
- (2) 4.2
- (3) 4.5
- (4) 4.8
- (5) 5.5
回答
(3)-(2)
問16:単相交流
図の交流回路において,回路素子はインダクタンス L のコイル又は静電容量 C のコンデンサである。 この回路に正弦波交流電圧 v=500sin(1000t)[V] を加えたとき,回路に流れる電流は i=50cos(1000t)[A] であった。 このとき,次の(a)及び(b)に答えよ。
(a) 回路素子の値として,正しいのは次のうちどれか。
- (1) C = 100 [nF]
- (2) L = 10 [mH]
- (3) L = 100 [mH]
- (4) C = 10 [nF]
- (5) C = 10 [μF]
(b) この回路素子に蓄えられるエネルギーの最大値 Wmax[J] の値として,正しいのは次のうちどれか。
ただし,インダクタンスの場合には 1/2 L i² の,静電容量の場合には 1/2 C v² のエネルギーが蓄えられるものとする。
- (1) 125
- (2) 25
- (3) 12.5
- (4) 6.25
- (5) 2.5
回答
(2)-(3)
問17:その他
図のようなFET増幅器がある。次の(a)及び(b)に答えよ。
ただし,RA,RB,RC,RD,RE は抵抗,C1,C2,C3 はコンデンサ,VDD は直流電圧源,ID はドレーン電流, vin は交流電圧とする。
(a) 図の増幅器のトランジスタは,接合型の(ア)チャネルFETであり,結合コンデンサ(イ)は,温度変化に対する安定性を高める役割を果たしている。
また,抵抗(ウ)は交流的にバイパスコンデンサである。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に記入する記号として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | |
---|---|---|---|
(1) | n | C1, C3 | RA, RB |
(2) | p | C1, C2 | RB, RC |
(3) | n | C1, C2 | RB, RD |
(4) | p | C2, C3 | RA, RB |
(5) | n | C1, C3 | RB, RC |
(b) ドレーン電流 ID=6[mA],直流電源 VDD=24[V] とし,ゲート・ソース間電圧 VGS=-1.4[V] で動作させる場合,抵抗 RA,RB の比 RA/RB の値として最も近いのは次のうちどれか。ただし,抵抗 RC=16[kΩ] とする。
- (1) 1.2
- (2) 1.9
- (3) 2.4
- (4) 3.8
- (5) 4.7
回答
(1)-(2)
問18:静電気
問18
電極板の間隔が d0[m],電極板面積が十分に広い平行板空気コンデンサがある。この電極板間に,厚さ d1[m],比誘電率 εr の誘電体を図のように挿入した。
今、このコンデンサの電極 A,B に Q[C],-Q[C] の電荷を与えた。次の(a)及び(b)に答えよ。
ただし,コンデンサの初期電荷は零とし,端効果は無視できるものとする。
(a) 空気の電界 E1[V/m] と誘電体中の電界 E2[V/m] の比 E1/E2 を表す式として,正しいのは次のうちどれか。
- (1) εr
- (2) εr d0 / (d0 – d1)
- (3) εr d1 / (d0 – d1)
- (4) εr(d0 – d1) / d1
- (5) εr d1 / d0
(b) 電極板間隔 d0=1.0×10-3[m],誘電体の厚さ d1=0.2×10-3[m] 及び誘電体の比誘電率 εr=5.0 としたとき,空気の電界 E1=7×104[V/m] であった。コンデンサの充電電圧 V[V] の値として,正しいのは次のうちどれか。
- (1) 100.8
- (2) 70.0
- (3) 67.2
- (4) 58.8
- (5) 56.7
回答
(1)-(4)
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