このページでは「電験三種:理論」の最重要公式を解説します。
ここに書いてある公式は、実際に私が数年前に電験三種の理論を受験した際、最後に頭に残っていた公式をすべて書き出したものです。つまり、ここに書いてある公式は”使う可能性が高い”ものとなります。
「電験の理論ってどの公式を覚えればいいの?」
「結局どの公式が重要なの?」
「公式が多すぎて覚えられない・・・」
といった方々のお悩みにお答えします。
私は試験は100点満点ではなく、あくまで合格の”60点”を目指す勉強法でしたので、頻度の低い公式は飛ばしました。結果として以下の本当に覚えるべき公式55個を暗記・理解して75点で合格しました◯
これから電験三種の理論を勉強する方、勉強中の方、他の科目を勉強中の方の復習にどうぞ。
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静電気の覚えるべき公式
① クーロンの法則
F = Q₁Q₂ / (4π ε₀ r²)
- F:電荷間に働く力[N]
- Q₁, Q₂:電荷[C]
- r:電荷間の距離[m]
- ε₀:真空の誘電率[F/m]
② 電界の強さ(点電荷)
E = Q / (4π ε₀ r²)
- E:電界の強さ[V/m]
- Q:電荷[C]
- r:距離[m]
- ε₀:真空の誘電率[F/m]
③ 電位
V = Q / (4π ε₀ r)
- V:電位[V]
- Q:電荷[C]
- r:距離[m]
- ε₀:真空の誘電率[F/m]
④ 電界中の電荷に働く力(電界中の電荷)
F = Q E
- F:電界中の電荷に働く力[N]
- Q:電荷[C]
- E:電界の強さ[V/m]
⑤ 電束密度
D = ε E
- D:電束密度[C/m²]
- ε:誘電率[F/m]
- E:電界の強さ[V/m]
⑥ コンデンサ
Q = C V
- Q:電荷[C]
- C:静電容量[F]
- V:電圧[V]
C = ε S / d
- C:静電容量[F]
- ε:誘電率[F/m]
- S:電極面積[m²]
- d:電極間距離[m]
E = V / d
- E:電界の強さ[V/m]
- V:電圧[V]
- d:距離[m]
W = 1/2 C V²
- W:静電エネルギー[J]
- C:静電容量[F]
- V:電圧[V]
⑦ 電束(ガウスの法則)
N = Q / ε
- N:電束[C]
- Q:電荷[C]
- ε:誘電率[F/m]
磁気の覚えるべき公式
1. 磁極間に働く力
F = m₁m₂ / (4πμ₀r²)
- F:磁極間に働く力[N]
- m₁, m₂:磁極の強さ[Wb]
- μ₀:真空の透磁率(4π×10-7 H/m)
- r:磁極間距離[m]
2. 磁界の強さ H
H = m / (4πμ₀r²)
- H:磁界の強さ[A/m]
- m:磁極の強さ[Wb]
- r:距離[m]
F = mH
- 磁極が磁界中で受ける力
3. 直線導体まわりの磁界
H = I / (2πr)
- I:電流[A]
- r:導体からの距離[m]
円形コイルの中心磁界
H = I / 2r
- I:電流[A]
- r:導体からの距離[m]
4. アンペアの周回積分
NI = HL
- N:巻数[回]
- I:電流[A]
- H:磁界の強さ[A/m]
- L:磁路の長さ[m]
- NI=起磁力
5. 磁束密度
B = μ₀H
- B:磁束密度[T(テスラ)]
- μ₀:真空の透磁率[H/m]
6. 平行導体間に働く力
F = (μ₀ I₁ I₂ l) / (2πr)
- I₁, I₂:各導体の電流[A]
- l:導体の長さ[m]
- r:導体間距離[m]
※ 同方向電流 → 引力、逆方向電流 → 斥力
7. インダクタンス
L = L₁ + L₂ ± 2M
- L:合成インダクタンス[H]
- M:相互インダクタンス[H]
M = k√(L₁L₂)
- k:結合係数(0~1):漏れ磁束
8. コイルの自己インダクタンス
L = μ₀AN² / l
- A:断面積[m²]
- N:巻数[回]
- l:磁路長[m]
9. 磁気エネルギー
W = (1/2)LI²
- W:磁気エネルギー[J]
10. フレミング左手・右手の法則
F = BILsinθ(左手の法則)
・F:導体に働く力の大きさ[N]
e = vBLsinθ(右手の法則)
・e:誘導起電力[V]
11. 誘導起電力
ファラデーの法則
e = -N ΔΦ/Δt
e = -L ΔI/Δt
- Δ:デルタ:変化分
- Φ:磁束[Wb]
- e:誘導起電力[V]
12. 磁気抵抗
Rm = l / (μS)
- Rm:磁気抵抗[A/Wb]
- l:磁路長[m]
- S:断面積[m²]
- μ:透磁率[H/m]
13. 磁束の向き(右ねじの法則)
電流の向きに右ねじを回したとき、ねじの進む方向が磁束の向き。
磁束は N極 → S極 へ流れる。
直流回路の覚えるべき公式
1. 基本公式(オームの法則)
E = IR
- E:電圧[V]
- I:電流[A]
- R:抵抗[Ω]
I = E / R
2. 電力の公式
P = I²R
P = V² / R
- P:電力[W]
- V:電圧[V]
※ 電験三種では「どの式を使うと計算が楽か」を考えて使う。
3. 抵抗の公式
R = ρl / S
- ρ:抵抗率[Ω・m]
- l:導体の長さ[m]
- S:断面積[m²]
4. コンダクタンス
G = 1 / R
- G:コンダクタンス[S(ジーメンス)]
- R:抵抗[Ω]
※ 並列回路では G を使うと計算が楽になる
5. 抵抗の直列・並列
直列回路
R = R₁ + R₂
並列回路
R = (R₁R₂) / (R₁ + R₂)
※通称「和分の積」
※ 同じ値の抵抗が2個並列 → R/2
6. 分圧・分流
分圧
V₁ = V × R₁ / (R₁ + R₂)
分流
I₁ = I × R₂ / (R₁ + R₂)
※ 分圧は「抵抗に比例」、分流は「逆比例」
7. Δ-Y(デルタ・スター)変換
Δ → Y 変換
RY = (隣接する2抵抗の積) / (Δの全抵抗の和)
※ 3つとも同じ抵抗値の場合 →RY = R/3
Y → Δ 変換
RΔ = (Yの2抵抗の積の和) / 対向するY抵抗
※ 対称回路では暗記すると有利
8. 最大電力の条件
RL = R内部
- 負荷抵抗が内部抵抗と等しいとき、負荷に最大電力
9. ブリッジ回路の平衡条件
R₁ / R₂ = R₃ / R₄
※ 平衡時は中央の電流は 0
10. 重ね合わせの理
- 電圧源は短絡
- 電流源は開放
※ 直流回路の定番問題
11. キルヒホッフの法則
第1法則(電流則)
節点に流れ込む電流の和 = 流れ出る電流の和
第2法則(電圧則)
閉回路の電圧の代数和 = 0
交流回路の覚えるべき公式
1. 正弦波交流の基本式
e = Em sin(ωt)
- e:瞬時値の電圧[V]
- Em:最大値(波高値)[V]
- ω:角周波数[rad/s]
- t:時間[s]
ω = 2πf
f = 1 / T
- f:周波数[Hz]
- T:周期[s]
- 2π rad = 360°
2. リアクタンス
インダクタンス(L)
XL = ωL
- XL:誘導リアクタンス[Ω]
- L:インダクタンス[H]
※ 電流は電圧より 遅れる
キャパシタンス(C)
XC = 1 / (ωC)
- XC:容量リアクタンス[Ω]
- C:静電容量[F]
※ 電流は電圧より 進む
3. 共振周波数
f = 1 / (2π√(LC))
- L:インダクタンス[H]
- C:静電容量[F]
※ 直列共振・並列共振どちらでも同じ式
4. インピーダンス
R − C 回路
Z = √(R² + XC²)
- Z:インピーダンス[Ω]
- R:抵抗[Ω]
R − L 回路
Z = √(R² + XL²)
- Z:インピーダンス[Ω]
- R:抵抗[Ω]
※ 三平方の定理で覚えると即対応できる
5. 位相関係(超重要)
- R:電圧と電流は 同相
- L:電流が 遅れる
- C:電流が 進む
6. 過渡現象
コンデンサ
- 投入直後:短絡(0Ω)
- 定常状態:開放(∞Ω)
コイル
- 投入直後:開放(∞Ω)
- 定常状態:短絡(0Ω)
※ 過渡現象は「直後」と「十分時間経過後」で考える
7. 力率
cosθ = R / Z
- θ:電圧と電流の位相差
※ 力率が低いほど有効電力は小さくなる
8. ベクトル図のポイント
- R成分:横軸
- XL:上向き
- XC:下向き
※ 合成ベクトルの長さがインピーダンス Z
三相交流の覚えるべき公式
① 三相交流の基本
三相交流は、位相がそれぞれ 120°ずつずれた3つの交流 から構成される。 電験三種では主に以下の2種類の結線が出題される。
- Y結線(スター結線)
- Δ結線(デルタ結線)
② Y結線の電圧・電流関係
線間電圧:VL
相電圧:V
Y結線では、線間電圧と相電圧の関係は次式で与えられる。
VL = √3 × Vph
したがって、
V = VL / √3
また、Y結線では
線電流 = 相電流
③ 1相分に着目する考え方(超重要)
三相回路の計算では、必ず 「1相分の等価回路」 に変換して考える。
例えば線間電圧が 200V のY結線回路では、
相電圧 = 200 / √3 [V]
インピーダンスを Z [Ω] とすると、相電流 I は
I = (200 / √3) / Z = 200 / (√3 Z)
④ 有効電力 P
1相あたりの有効電力は
P= I²R
三相全体の有効電力は
P= 3I²R
- P:有効電力[W]
- I:相電流[A]
- R:相抵抗[Ω]
⑤ 無効電力 Q
三相交流回路の無効電力は次式で表される。
Q = √3 VL I sinθ
またリアクタンス X を用いると
Q = 3 I² X
- Q:無効電力[var]
- X:リアクタンス[Ω]
⑥ 皮相電力 S と力率
皮相電力は
S = √3 VL I
- S:皮相電力[VA]
力率は
力率 cosθ = P / S
電験三種では
- 誘導性負荷 → 電流が遅れる
- 容量性負荷 → 電流が進む
の判断が頻出である。


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